本の写真

うーん、この本、本屋で一番目立つところに平積みされていて、12万部売れていて、林先生の番組でも紹介された、と、うたっていまして。

ブログをやっている身としては、なんだか気になるタイトル!

で、気になって一回手にとって、最初無性に腹が立って、一回置いて、しばらく他の本を見ていて、でもなんだか気になってもう一回手にとって、悩んだ挙句に買ったんです。1500円出して!

読後感は、…微妙。これは賛否両論あるかもしれないなぁと思います。でもなんといっても自分より遥かに稼いでいる人が書いた本です。参考になる部分は少なからずありました。けど、何が納得できないんだろう…???

といったことを、書きながら考察したいと思います(≧∀≦)

もくじ

読書感想 『読みたいことを、書けばいい 人生が変わるシンプルな文章術』

最初本屋で見たときには、腹が立ってしょうがなかったし

もう、最初手に取った時に、最初に目に入ってきた文章がこれです。

つまらない人間とは「自分の内面を語る人」

朝、職場で会うといきなり「寒い寒い。今日は穴の空いている靴下を履いているから寒い。でも靴下を買うお金がないんだよな今月」などと言ってくる、そういう人がいるだろう。知らんがな、としか言いようがない。あなたは寒いかもしれないが私は暑い。あなたの靴下の穴のことは考えたくないし、お金がないのも私の責任ではない。

〜中略〜

これらの人間に共通する特徴を、できるだけ遠回しにソフトに表現すると、「つまらない人間」ということになる。

つまらない人間とは何か。それは自分の内面を語る人である。少しでもおもしろく感じる人というのは、その人の外部にあることを語っているのである。

はぁ〜⤴︎?なに、この嫌味な書き方は〜!と思ったのですよ(笑)何が遠回しよ。単刀直入じゃんか。なんだか、嫌だ。この書き方やな感じ。頭痛くなってくるわ。腹たつわぁo(`ω´ )o

少しページを変えるとこんなことも。

また、世に出回る文章術の本には「お前がまず文章を習え」と言いたくなるような読みにくい本がある。ものすごく太った人が出すダイエット本のような、有無を言わせぬ迫力がある。

ほんと、この人、人をバカにしてるわぁ…この書き方、腹たつわぁ…

そもそも文章読本というのは、文章を書くことによって功成り名遂げた人が人が著すものだ。有名なところでは谷崎純一郎『文章読本』、三島由紀夫『文章読本』、丸谷才一『文章読本』などがある。これらに共通する点は、第一に、名だたる文豪が書いたものであるという点だ。第二に、題名が同じなので買うときに紛らわしい点だ。

???何が言いたいの、この人。もう無理。

そして平積みの本の山に戻したのでした。

でも何か気になって

でもあまりに第一印象が強烈だったので、気になったんでしょうね。結局購入しましたよ。

頭にくるのは、図星を言っているからではないのか、自分にも当てはまるところがあるからカチンとくるのであって、そうであれば読む価値があるのかもしれない。と思ったわけです。

で、読みました

もう、納得する部分と、イライラする部分が混在しているんです。

納得する部分は、やはり、その部分を最初に読むのは、間違いなく自分、というところ。読み手など想定して描かなくていい。自分で読んで面白くなければ、書くこと自体が無駄になる。と書いています。

また、よくブログ運営などで言われる「ターゲットを想定しよう」という言葉を全否定しておりまして、その部分はすごく納得しました。

私もターゲットを決めて書くのが苦手です。決めてしまうとそれに囚われてしまって、なかなか書けなくなってしまうからです。あとは、興味のないことを調べて書くのもまだまだ苦手。いわゆるキュレーション記事みたいなのは到底書けないなぁ、と思ってしまいます。

ですので、そうか、やっぱり好きなことを全力で語る、というのでいいんだ!間違ってなかったんだ!という、安堵感と喜びは大きかったです。

読みたいもの、を書くって難しいことなんだと思う

でも、この本、読みたいことを書きなさいっていう本なんですよ。なんとなく、書きたいように書けばいい、というイメージで読んでしまいますけど、読みたいこと=自分が読みたいと思えるような文章 なので、文章自体はしっかりしたものでないといけないんですよね。これって、結構ハードルが高い。

だって、やっぱり独りよがりな文章って読みたくないですもんね。それがいい具合に破綻していて、ある種違う方面の面白さにつながっていれば別なんですが、でもそれには相当なバランス感覚が必要なのではないかと思います。

で、私が読みたい文章ってどんな文章だろうと考えると、まずは文体が綺麗で、無駄がない。むやみに批判していない。批判も読んでいる私が納得する範囲で、理知的に書いている。内容が自分が好きなこと(今だったら映画とか、本とか、世界情勢とかになるのかな)を書いている。基本的に愛を感じる。そして所々ウィットにとんでいると最高(*^▽^*)

ね、これ、自分で書こうと思ったら、すっごい難しい(そんな文章、かけるようになりたい^^;)だからこの本、さも簡単に読みたいことを書きなさいって言っておいて、実はすごくレベルの高いことを要求しているんだと思うんですよ

いや、独りよがりで理論が破綻していて、むやみやたらに批判していて、文章もめちゃくちゃなものが読みたいんであれば、簡単なんですけど。人それぞれ、好みは違うから、なんとも言えないですけど…。

私が読後に抱いた違和感って、ここなんだと思う。

ただ、人のために書くのではなくて、自分が好きで愛をもってかけることを書きなさい、という面では、至極納得できる

でも、じゃあ、その書き方になると、突然、物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛 という見出しのように、とにかく念入りに調べろ、ということになるんです。

矛盾していることを書いているような気になる

こうやって、自分の感情を整理していくと、この見出しにも納得するんですが、ただ読んだだけだと唐突に突き放された気分になるんですよ。

書きたいように書けばいいという感覚で読んでるから。好きなことを(好きなように)書けって言ってたじゃん!!って(笑)

その資料も、基本的には図書館(国公立・大学・ジャパンサーチ(国立国会図書館などの所蔵資料のデータベース))で調べろと。

起承転結をもって書けと。

結構めんどくさいじゃんか!何矛盾したこと言ってんだ!o(`ω´ )oプンスカ と、また思ってしまうのです。

結局

自分がいちばんの読者だと考えて、感動を中心に据えて、愛をもって書けることを書くんだけど、読みたいように書くにはそれ相当の技術はいるし、独りよがりな文章にならないためには綿密な調査は必要。最低文章の基本は守ろうね、ということなのかな、と、今はそう理解しています。

だって最後に

たくさんの人に読んでもらえ、web上やSNSでバズり、内容が効率よく人に届き、とてもおもしろく、わかりやすい文章を簡単に書く方法。それは短くいうと、こうだ。

そんなものはない

書いてあった。最後に結論が。最初読んだときは、この部分にも相当頭にきたのだけど、そりゃそうだった。これは読みたいことを書きなさい、って本だから。その通りです。うっかり書きたいように書けばいいと、優しく諭してくれる本だと思った私が悪かったんです。はい。

これからも自分が読みたいと思える理想の文章に向かって、日々精進し続けます。ほんと。

でもさ、

やっぱりこの著者の、ちょっと人を小馬鹿にしたような文章の書き方は嫌いです!これ、冗談でやってるのかなぁ。普段のこの人を知らないので、なんとも言えませんが、誤解されやすい方ではあると思います。

字も必要以上に大きくて、文字の大きさを頻繁に変えているのがなんだか嫌いだし。単行本で1500円もするわりには、1時間もあれば読めてしまうし。

でも、この本もきっと自分が読みたいことを書いているんですよ。だから、それは好みの問題であって、私はあまり好きな文章ではなかった、というだけなんですよね^^;

この本、賛否両論分かれるだろうなぁ〜。好きな人は好き。嫌いな人は嫌い、著者の個性全開なので、はっきり分かれる本だと思います(≧∀≦) その辺もわかって書いていらっしゃるんでしょけどね(笑)

まとめると

この本は書きたいように書きなさい、というやさしい本ではなくて、自分が読みたいことを書きなさいという、実は自分が理想とする文書を書けという本。

そう思って読むと矛盾もあまり感じず、面白いかもしれません。独特の口調。著者の個性全開で書かれているので、好きな人は好き、嫌いな人は嫌いとはっきり分かれる本だと思います(≧∀≦) 私は…好きではない(笑)けど参考になりました。

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