タイトルの本の写真

ブログなんて始めると、言葉に関してもっと上手に扱えるようになりたいなぁなんて思ってしまいます。本や他の人のブログなど読んでいて、うまいなぁ、言葉の選び方が上手だなぁ、と書いてある内容よりも、文章そのものに注目してしまったり…

こればっかりは少しずつ、磨いていくしかないですね^^;

以前からプレバトの俳句コーナーが大好きでよく見ていました。夏井先生、面白いですよね。添削した後の俳句の見事なことです。

あの番組で俳句の面白さと、言葉の持つイメージの豊かさを知りました(≧∀≦)

本屋で思わず手に取ったこの本、俳句も良かったけど、私、夏井先生の語りが好きなんだなぁと再確認。的確で言葉に無駄がなく、かつ面白い。当たり前か(//∇//) いつも17音でどれだけイメージを伝えるか、っていう世界にいらっしゃるんだもんね。

一読者がこんなところで偉そうにレビューを書くのも気が引けますが、面白かったから書いてみます。

もくじ

読書感想 寝る前に読む一句、二句。クスリと笑える、17音の物語

俳句についての語りの部分が面白い

表題の俳句について、夏井いつきさんと、妹さんであるローゼン千津さんが語り合うこの本。俳句とその説明、それからその俳句について姉妹が好き勝手に(笑)失礼!語っております。

さすが姉妹だけあって、息ピッタリというか、突っ込んだり突っ込まれたり、話の中で別の句の話になったりと、俳句そのものより、お二人の語りが面白かったです。夏井先生はもちろん、ローゼン千津さんも俳句をされるという事で、言葉の使い方が、的確。

ちなみにローゼン千津さんはアメリカ人でチェリストの方と結婚されています。本の中に写真が載っているのですがとても若々しい方でした。

はじめに、のところで夏井先生も書いていますが、

お互いに二人の子どもを抱えての熟年再婚経験あり。彼女が再婚したのは、チャイコフスキー国際コンクールで優勝した経歴を持つアメリカ人チェリスト。今は彼の付き人をしつつ、世界あちらこちらを渡り歩くかたわら、ライターの仕事をこなす人物である。私たちは合わせ鏡のように似ている部分と水と油のように正反対の部分を持ち合わせている姉妹だ。

この姉妹だからこそできる、お互いの遠慮ないツッコミも楽しいです。

俳句はやっぱり豊かよね

この本の中で、古今東西の俳人達の俳句が30句紹介されています。この中でいくつか私が気になった俳句。

いつの間にがらりと涼しチョコレート 星野立子

この星野立子さん、高浜虚子の次女なんですって。これ、わかる〜!夏のチョコレートって、ちょっと時間が経つと口に入れた途端にやわやわですもんね(≧∀≦) チョコレート好きで半ば中毒といっていい私としては、ものすごく共感する句でした。

意外なのは、この句の季語は涼し、で夏の季語なんですって。でももうすぐ秋、といった涼しさを感じる頃の句なんでしょうね。

百方に借あるごとし秋の暮 石塚友二

これ、まさに今の私の気分だなぁ、と。お金って、お金にとらわれてはいけないけど、でも無いとなんというか必要以上に心細く、自分ってダメだなぁ〜なんて考えてしまいます。まさに秋の暮の寂しい気分とマッチ。

夏井先生のシングルマザーの頃の清貧生活のことも書かれています。苦労されたんですね。

この句の季語は秋の暮、秋の季語だそうです。

今生の汗が消えゆくお母さん 古賀まり子

これはね、以前福祉の現場で働いていたのでよくわかる。さっきまで頑張って息をしていた方の息が消え、顔は青白く、血の気が消え、体温が少しずつ冷えていく。魂が帰ってしまったのがわかる瞬間。

でも、何かで聞いた話。この世で体を持って生きていくって、本当に重たいことなんだと。特に病にかかったりすると、重くて仕方がないのだと。この世での死を迎えて、体から解き放たれると本当に軽くなるんだと。これを聞いて私、少し救われたんです。なんだか死ぬ事が悪い事ばかりではない気がして。この世の修行がやっと終わって、軽くなってやっとあの世に帰れるんだなぁって。

だからなくなられた方と対峙するときには、いつも「お疲れ様でした。よく頑張られましたね。重かった体から解放されて、今軽くなったでしょう?そのまま軽く、軽く天まで登ってくださいね。」と心で声をかけておりました。

ちなみにこの句の季語は汗、で夏の季語らしいです。

この他にも、例えば、北窓開くおまえとは別れたい 如月真菜 (≧∀≦)とか、面白い句がたくさんです。

途中に挟まれる“いつきのまなざし”が一番好き

俳句と俳句の説明、それに対する二人の会話がベースのこの本、途中にいつきのまなざしという、ちょっとしたエッセイのコーナーが挟まれるのですが、このコーナーの文章が一番好きでした(≧∀≦)

結局私、夏井先生のファンなのかもしれません。いや、ファンなんです。

まとめ

最初から読むもよし、気になった句から読むもよし。ちょっとした空き時間にスラスラっと読めるのが、なんだかちょうどいいです。

俳句という制限のありまくる中での表現(ゲームでいうしばりプレーよね、ほんと)と、その事で際立つ日本語のイメージの豊かさが、なんとも言えません。

タイトルにもあるように、17音に立派な物語がありますもんね。こんな文字数でも物語が紡げる、ということに驚きます。

長文はいいけど、短文がものすごく苦手な私^^; 俳句、興味あるんだけどね。

でも俳句ができると、必ず文章は上手になると思います。ちょっとチャレンジしたくなりました(≧∀≦)

それにしても、夏井先生、大好きだわぁ。

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