本の表紙の写真

ぽらぽらです〜。久しぶりに読書感想!篠田桃紅さん著『一〇三歳になってわかったこと』の感想です。

私は昨年50歳になりましたが、やっぱり人生も折り返しといいますか、半分以上を生きてきて、どう死んでいくかを考えていかなくてはなぁ、とか、もっとしっかりしないとなぁ、等々…何をするにも年齢を考えてしまったり、色々と思うことがあったのですが、いやいや、この著者の方はこの本を書いた時点で103歳!私の倍以上!

第一線で活躍されている芸術家の方であり、独身を貫いた桃紅さんの語る言葉は、自然体でかつ強く、自分というものが確立されていて、読んでいて力が湧きます。

やっぱり歳をとるって、すごい経験値を積んでいることなんだなぁと再確認。歳をとるのって悪くない。こんな清しい境地に近づいていけるのかもしれない、と思うと元気が出ました!2021年最初の読書!いい本を選びました^ ^

読書感想 篠田桃紅著『一〇三歳になってわかったこと』

まずは篠田桃紅さんのプロフィール

本の巻末に簡単なプロフィールが書いてあるので、まずはそれを紹介

美術家

 1913(大正二)生まれ。東京都在住。墨を用いた抽象表現主義者として、世界的に広く知られており。数えで一〇三歳となった今も第一線で制作している。

うん、シンプルかつ的確!その通りの方です。同じく巻末には作品が収蔵されている主な美術館が挙げられておるのですが、シンシナティ美術館、スミソニアン博物館、大英博物館、東京国立近代美術館、ボストン美術館、メトロポリタン美術館など、錚々たる美術館が並んでいます。そのほかにも世界各国の多くの美術館や公共施設に収蔵されています。

作品は、ぜひ検索して見られてください。墨を基調としているその作品は、スッとしていて、とてもかっこいいです。迷いがなくて見ているとスッキリします。作品から受ける印象は、あたたかい、というよりは凛とした生き様。私は大好きな作品でした。

読みやすい構成

この本、例えば最初に、「私には死生観がありません」という見出しがあって、それに対する篠田さんの考えが大体2〜3ぺージで簡潔に語られて、最後に「生まれて死ぬことは、考えても始まらない。人間の知能の外、人の領域ではないこともある。」と格言のような言葉でしめられています。

この構成が、すっごく読みやすい!一つの見出しに対して3〜4ページです。やっぱり忙しく生活していると、どっぷりと本の世界に入れないことの方が多いのですが、隙間時間でも読めてしまいます。働く主婦にとって、これ大事!それも難しい言葉なんてほとんどなくて、スッキリと、でも奥深い言葉が並んでいます。

うん、この方、私好きだなぁ。迷いがないから言葉が簡潔でスッキリしている。だから読んでいる方もごちゃごちゃせずに、頭がスッキリしてくる。

なんだかさっきからスッキリする、ばっかり言ってますが、本当にそうなんですよね。

私的に刺さった言葉達

あなたの人生を枠におさめない

大正生まれの篠田さんの時代は、女性は23歳までにお嫁に行くのが当たり前で、25歳を過ぎるとオールドミスと疎まれるような時代だったそうです。これ今でこそ結婚にとらわれない生き方が浸透してきていますが、私が若い頃もまだまだこういう雰囲気があった気がします。

それを昭和初期の時代に独身を貫くって、すごく勇気がいったと思います。また、初めて個展を開いたのが40歳を過ぎてから、その後43歳で渡米。この渡米がきっかけで、作品は全世界に広がるようになったとのこと。

すごいですね。もう歳だから…ではないんだなぁと思えます。

自分の生き方を年齢で判断する。これほど愚かな価値観はないと思っています。

そうだよね。思えば60歳でパソコンをはじめて、80代でアプリを開発された方もいるし、80歳でエベレストに登頂した方もいるし。きっと篠田さんも、そういう方々も、もう歳だから、なんて考えないのよね。

そんな生き方って素敵。これも自分の考え方次第なんだろうなと思いました。

やっておきたいと思うことは、どんどんやる

人生は、なにが一番ほんとうにいい生き方なのか、はっきり言える人はいないと思います。でも最後に、いろいろあったけれども、やっぱり私はこうでよかったと、自分自身が思える人生が一番いいだろうと思います。まだまだいっぱいやりたいことがあったのに死ぬのか.....、と思うのは悲しいことです。

本当にその通りだよね。この章では、与謝野晶子の自由な生き方を引き合いにだし、最後の格言は

人には柔軟性がある。これしかできないと、決めつけない。完璧にできなくたっていい。

人生の楽しみは無尽蔵。

となっています。あぁ、あの世界遺産を見に行きたい。あの山に登りたい。自分達だけでキャンプしてみたい。羊毛フェルトに興味があるetc. 今考えただけでもいろいろ出てきます。できるものから、一つずつやっていけばいいんだよね。たとえそれが途中で中途半端になっても、やっぱりあんまりやりたくなかったってなっても、それはそれで納得できるんだろうなぁと。とりあえずやりたいと思ったことはやってみよう!と思いました。

自分が立ちうる場所に感謝する

この中で、「わが立つそま」という言葉が出てきます。「そま」とは「杣」と書き、滑り落ちそうな山の斜面にある、ほんの少し平になった場所のことだそうです。

人生は長く、平坦ではありません。それこそ山あり谷ありです。そのなかで、やっと、つかのま安心できる小さな場所を見つけた。そのことに感謝し、神仏のお恵みがありますようにと、いつの時代も、祈る心は変わらないのでしょう。

最後の格言はこの言葉

人生は山あり谷あり。ようやく平地を得たとき、感謝して大事にする。

どんな斜面にも、つかのま安心できる場所がある。

人生長く生きたからこその説得力です。やっぱり人生長く生きるのって悪くない。今の自分はまだまだひよっこだよね。

また、今、コロナ禍で日本全体が否応なく大きな山を登らされているような大変な中、私も平穏な毎日がどれだけ大切だったのかを思い知らされる日々です。でもきっと再び平地に立てる時がくると信じて頑張っていこうと思うし、再び平地に立てたときに本当に感謝できる。この言葉を読んでそう思いました。

自分の感覚、感性を信じて、自己責任で生きてきた女性!

この本、こんな風に篠田桃紅さんの言葉がたくさん綴られています。多分、今までの人生でいろいろな経験をする中で悟ってこられた言葉達。その時の状況によっても、ぐっとくる言葉が変わりそうな本です。時間をおいて読むと、また違った言葉が胸に刺さるのではないでしょうか。

読む人によっても、心に刺さる言葉が違うと思います。

例えば目次をいくつか抜き出すと

百歳はこの世の治外法権

古代の「人」は一人で立っていた

〝いつ死んでもいい〟は本当か

いい加減はすばらしい

どうしたら死は怖くなくいなるのか

頼らずに自分の目で見る

いつでも面白がる

規則正しい毎日から自分を解放する

自分の心がほどほどを決める

自由を求めて、今の私がいる

自分が一切である

いろいろな見方があっていい

どうして傲慢になれましょうか

唯我独尊に生きる

等々、私の独断で一部抜き出しましたが、ほかにももっともっといい言葉が並んでいます。

本当に、この方は自分の感覚や感性を信じて生き、人生を自己責任で生きてきたかっこよく素敵な女性だと思います。なにがあっても決して人のせいにはしない方だと思う。

年齢を重ねて、死と生を達観するような、俯瞰で見るような人生観も持ち合わせていて、その言葉は、読んでいるとスッと心に入ってくるし、決して押し付けがましくなく、足りすぎることも、足りないこともありません。

人生まだまだ、今からの心がけ次第で素晴らしいものになると、自然に前向きになれる本でした。

そして、篠田桃紅さんの作品、本当にかっこよくてこの方の生き様が出ているような作品でした。展覧会、近くで開かれないかなぁ。ぜひ実物を見てみたいです。よし、やりたいことのリストの一つはそれ!

『一〇五歳、死ねないのも困るのよ』という本も出ているみたいですね( ^∀^) これもぜひ読んでみたい!

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