先日、お笑い芸人のバイク川崎バイクさんが、ステイホーム中に書いた短編集が発売になりましたね。その時のインタビューで「昔から星新一さんが好きで…」というようなことをおっしゃっていまして、無性に星新一さんのショートショートが読みたくなってしまいました♪( ´▽`)
実は若い頃、星新一さんのショートショートが大好きだった私。多分ほとんどの本は読んだのではないかと思います。
昔持っていた本は、概ね売ってしまっていたので、本屋に走って買ってきました!『ボッコちゃん』
いや〜、すごい!やっぱりこの本、すごいです!(◎_◎;)
もくじ
読書感想「ボッコちゃん」今読んでも新鮮!
ショートショートの原点!
言わずもがなかもしれませんが、星新一さんはショートショートという分野を開拓したと言われる方です。ショートショートってなに?と思われた方のために、一応定義を調べますと、
ショートショート(英: short short story)は、小説の中でも特に短い作品のこと。簡易的に「短くて不思議な」小説とされることもある。
定義は諸説あり、短編小説や掌編小説、ショートストーリーとは異なる独自のジャンルといわれることが多いが、それらを区別しない場合もある。ジャンルは、SF[1]・ミステリー[2]・ユーモア小説など様々。アイデアの面白さを追求し、印象的な結末を持たせる傾向がある。
かつて星新一やフレドリック・ブラウンが得意とし、その後、江坂遊らに受け継がれた。現在は田丸雅智が現代ショートショートの第一人者として活動している。 また、日本に紹介された当初は「ショート・ショート」と記述していたが、のちに現在の記述が一般化した。
ウィキペディアhttps://ja.wikipedia.org/wiki/ショートショート
と、なっていますね。短いお話だと3〜4ページで終わってしまうものもあり、でもラストにえっ?と驚いたり、は〜、なるほどねぇ〜と感心したりする、ちょっとひねった結末が用意されています。
短いから家事の合間にも読める。忙しい大人や主婦には読みやすい本だと思います。おすすめ!
なんと50年近く前の作品!
で、この本、発行日を見ると昭和46年5月25日となっている!!!今この文章を書いている日からすると正確には49年前ということになりますが、これ、文庫本として発行されたのが昭和46年なので、作品としてはもっと前に発表されていたことになります。ほぼほぼ50年前!
でもね、読んでいて全く古さを感じないんです。内容がSF的なものが多いというのもあるかもしれませんし、文字数も少ないので、詳細な部分が書き込まれていないというのもあるかとは思いますが、でもそれにしても感じない。
以前、新井素子さんの『通りすがりのレイディ』の読書感想を書きましたが、こちらはあの当時の時代を彷彿とさせる描写が多くて、それがSFの設定と相まって、今読むとそこがまた新たな楽しみポイントとなっていたのですが(そして、新井素子さんの作品は、そういう部分ではないストーリーの面白さや、キャラクターの可愛さ、かっこよさが一番の魅力であります(^ ^))、『ボッコちゃん』は今読んでも新しささえ感じました。
例えば、こんな描写
中に、『冬の蝶』という話があるのですが、多分に随分と未来のお話。今よりもかなり文明が発達した世界を描いています。ここにとある夫婦が出てきます。その奥さんの着ている服の描写です。
妻はゆっくりと部屋の中を歩きまわった。ゆるやかなローブは、まっ青な海の色。だが、ゆれ動くにつれ、その模様のたくさんの蝶が光を帯び、いっせいに羽ばたきはじめるのだ。
うわ〜!蝶模様が羽ばたくローブ!現在からしても未来の話や〜
あとは、吸ったタバコを捨てるシーン(このタバコも、無害のロチ・タバコというものらしい。50年前の、まだ禁煙とか分煙とかの概念が全くないといっても過言ではない時代に無害のタバコを吸わせるって、すごくない?)なのですが、
彼はタバコを投げ捨てて、部屋を出ていった。床のじゅうたんはさざ波をたてて、灰と吸殻とを床のすみに運んで始末し、静かにもとに戻った。
うぇ〜い!じゅうたんがゴミを始末してくれるんかーい!ルンバの上をいったわ。
で、このシステマチックな家が、突如電気が止まり、機能しなくなってしまいます。服が先ほどのローブしかないという妻が寒がるのですが、
「ほかに、着る服はないのかい」
「まえの服は、けさ溶かしちゃったでしょう。下着もこれだけなの」
「少しとっとけばよかったな」
「そんなこと言っても、無理よ。配達パイプですぐ手に入るのに、余分においておく家なんてないわ。それに、だれもこんなことになるなんて考えもしないもの」
いいなぁ、超ミニマリストになれる家やぁ〜。余分なものはさっと溶かして、必要なものをその時その時で手に入れられたら、いいよねぇ〜
と、読みながら、よくこれを50年前に考えついたよなぁ〜と感心しまくってしまいました。
まとめ
こんな風に面白いショートショートが50編も収録されています。昔読んだことがある人も、読んだことがない人も、一度読んでみると、面白い視点が味わえると思います! ちょっとした非日常といいますか…。おすすめ♪
私も、他のショートショート作家が書いた作品を読んでみたくなりました。あ、あとバイク川崎バイクさんの短編集も読んでみたいな^ ^ また読んだらレビューしようと思います。